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何かモチーフを前に描いていると、知らず識らずの内にその形や色を写し取るのに躍起になる。
或いは頭の中の理論が気付けば手をコントロールし、光源と逆の面を暗く染めては立体感を醸し、稜線を濃く印しては絵を締める。
そういったことは画面の説得力を増すのに間違いなく必要だけれども、言い換えれば既存の戦法であり、新規のものは生み出さない。
創造の原動力になるのは、個個人が独自に持つ感情だと思う。
こう線を引きたいとか、この色を使いたいとかいう。
そうして“予め完成が想像される”のでないもの、新しい何かが誕生する。

私は行き詰るといつも、ゴッホの画集を開く。
ゴッホはそんなに“上手く”ない、でも最高だ。
それは、ゴッホが感情に従ったアーティストだったからだ。
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