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最初に恋した画家はアングルだった。
そしてその系譜に連なるカバネルブーグローを好きになった。
アングル『ヴァルパンソンの浴女』/カバネル『ヴィーナスの誕生』/ブーグロー『ニンフとサテュロス』
Ingres_valpincon.jpgcabanel.jpgWilliam-Adolphe_Bouguereau_(1825-1905)_-_Nymphs_and_Satyr_(1873).jpg
写実性の高い絵から入った分、自分で描き始めて、一向に形が取れない、質感が出ない、そういう過程をさっとクリアする同窓も居る傍ら、どうやら僕はかなり不器用な方だと分かった時、がっかりした。
ところが恩師がこんな言葉をくれた。
「下手糞でええんや。上手いのは練習したら何ぼでも上手なる。でも下手糞なんは真似出来ひんねや。」

昨年の六本木のゴッホ展(2011年2月22日~4月10日、名古屋市美術館に巡回)では、彼の鉛筆による模写と元になった版画が並置されていた。
ゴッホは無茶苦茶下手糞だった。
形は全然違うし、描線は硬い。
しかし、様々に向けられた強い好奇心や、様々を貪欲に摂取する謙虚さ無邪気さや、類稀な色彩センスとそれを深めた熱心な研究や、ストイック過ぎる性格とその帰結の人生ドラマ等と相俟ってのことだが、何より絶望的な下手糞さ故に、あの強引なまでに激しいタッチを生むことになったと思う。
ゴッホが凄く器用な人だったら、ゴッホ足り得なかったろう。

最近画材を触る時、その不利な点を思う。
そのまま残したい、それをこそ活かしたい。
広い面をなかなか埋められない鉛筆やペン。
細部を描き起こし難い木炭。
直ぐ乾いて閉じるアクリル。
滲み食み出る水彩。
でも急ぎ足の線で以って、枝葉排したマッスで以って、ぶつ切れの色面で以って、支配不能の溜りや滴で以って、モチーフの本質に迫れたなら…
単なるコピーを超えたリアル、暗示に富んだロマン溢れるリアル、リアル溢れるロマンの画面が立ち現れる。

不器用な人間の描く絵は、それ故の文学性を帯びる。
僕は今、自分の下手糞さを愛し、描く。
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