
俳誌『氷室』の令和二年十二月号が発行されました。
今回の「句集歴程」は、小川弘子さんの『We are here』を取り上げた。「このコーナーで知った方の句集を取り上げるのは初めてで、どういうスタンスで書いたものか」少し迷ったが、いざ筆を執るとすらすら書けた。何と言っても、「小川家は我が家のロールモデルなのである。」
わが部屋の乱れはじめて黒揚羽
月が出て夜中に磨く洗面所
朝風呂は四十一度薔薇満開
草引いて無声映画の中にいる
アスファルト蟷螂死んでアスファルト
今の音たしかに蟬の墜ちる音
晩夏光獣医に恋する猫だった
二階から赤い月見て化粧する
サンマ斬るサロメはここにおりません
秋の蚊の茨木のり子に倚りかかる
「弘子さんにかかれば、部屋が乱れても、草引いても、夜の洗面所掃除さえ詩になる。『大寒の便器の上の私かな 真也』などとやってしまう我が身に、ロールモデルへの道は遠い…」
見本誌は、送料込み1000円でお届けします。詳しくは以下のホームページをご参照下さい。
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