
「山本真也のキネマ句報(仮)」9本目
『タイピスト!』(2012)
監督/レジス・ロワンサル
出演/デボラ・フランソワ、ロマン・デュリス、ベレニス・ベジョ、ショーン・ベンソン、メラニー・ベルニエ
学生時代、パリに二年住んだ。必ずしも人やもの全てがオシャレというわけではなく、日本人の方がよっぽど普段から小綺麗にしている。しかし、フランス人が本気出した時のカチッと感はさすがだな〜と思った。ファッションに限らず、万事そういう感じ。不便があっても景観は保持するし、客が困ってもバカンスは絶対取る。二番目・三番目は無いけど、一番大事なものは断固守りますという主義が、国民の文化的前提として存在している。ウンコまみれの道に立つ素敵な美術館の中、僕はそういう美徳に感化されて画家になった。
さてこの映画、タイプライターの早打ちという地味そうなモチーフなのに、フランスの本気出てます、シャレてます。デボラ・フランソワはちょっと田舎っぽいんだけど、可愛いんだよな〜それを言うなら、ロマン・デュリス。特に男前じゃないのだが、当地では若い頃からスター俳優。留学中、彼の主演作『スパニッシュ・アパートメント』が大ヒットしていて、冴えへん兄ちゃんやなあと思っていたが、『猫が行方不明』『ドーベルマン』『真夜中のピアニスト』等を見て、その振れ幅に驚いた。彼を見出だしたセドリック・クラピッシュ監督はエラい。
三度目のデートはジビエ料理店
(今年は、
301のホームページをスタートさせます。多ジャンルを横断するコンテンツを発信して行きますが、そのうちの1コーナーを先行公開。僕、山本真也の担当する「キネマ句報(仮)」は、毎週一本の映画を取り上げ、コラムとそれにまつわる一句という形で展開します。お楽しみ下さい。※コーナー名を「キネマ句報」と「cunema」で迷っております。)
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