
「山本真也のキネマ句報(仮)」23本目
『スケアリーストーリーズ 怖い本』(2019)
監督/アンドレ・ウーヴレダル
出演/ゾーイ・コレッティ、マイケル・ガーザ、ガブリエル・ラッシュ、オースティン・ザユル、ナタリー・ガンツホーン、オースティン・エイブラムズ
俳誌『新・黎明俳壇』の2020年9月号に「宮沢賢治と新美南吉の俳句を読む」という特集があって、寄稿しました。童話作家としての二人に共通するのは、童話と言っても人間社会のネガティブな面に目を背けず、と言うよりそこを土台に物語が展開されていて、子供の頃は読んでいてちょっと怖かったものだ。
中学生になりジャンプ読者となり、ドラゴンボールやスラムダンクの全盛期だったが、いつも後ろの方の『ジョジョの奇妙な冒険』が喉に刺さった骨みたいに気になった。でも手放しで好きというのでもなかった。
大人になってから、南吉や荒木飛呂彦の物語がやけに響くようになった。この世の苦いところを含んだ寓話だから、童心も現実に対峙する今の心性も両方刺激してくれるのだろう。
『スケアリーストーリーズ』はギレルモ・デル・トロの名を冠して宣伝されたが、監督作ではない。『パンズ・ラビリンス』や『シェイプ・オブ・ウォーター』には劣るが、それでも『ごん狐』やジョジョ的な引っ掛かりを残す絵とストーリーだった。
乳頭が廊下の奥に立つてゐた
(今年は、
301のホームページをスタートさせます。多ジャンルを横断するコンテンツを発信して行きますが、そのうちの1コーナーを先行公開。僕、山本真也の担当する「キネマ句報(仮)」は、毎週一本の映画を取り上げ、コラムとそれにまつわる一句という形で展開します。お楽しみ下さい。※コーナー名を「キネマ句報」と「cunema」で迷っております。)
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